2024年の法改正/相続登記と空き家対策

2024年05月05日

法改正が行われ、2024年4月から「家や土地を亡くなった方から引き継ぐ際に、国への正式な登録」が欠かせなくなりました。

 

もしも、この登録を怠るとその不動産が本当に自分のものと証明することが難しくなります。

 

また2023年12月には、「使用されていない家に関する新しい法律」が施行されました。

 

この2つの法改正は、相続される不動産が多くを占める「空き家問題」と密な結びつきがあります。

 

今回は「相続不動産の名義変更の義務化」「空き家対策特別措置法の改正」に関して、分かりやすく解説していきます。

 

 

 

 

||相続する不動産の名義変更が義務化||

 

まずは相続登記、相続した不動産の所有者を相続した人に名義変更する手続きに関してお伝えします。

 

 

 

なぜ、相続登記が義務化されたのか

 

この相続登記の必要性は、所有者不明の土地や家屋が増えている現状があるためです。

 

特に、家族が多く分かれて暮らしている現代では、誰がどの土地や家の持ち主か分からなくなるケースが増えています。

 

これを防ぐために、政府は相続登記を義務化することにしました。

 

 

2024年4月から、この手続きを行うことが法律で決定し施行されました。

 

相続登記をすることで、その家や土地が誰のものかはっきりし、将来的にトラブルを避けることができます。

 

もし相続登記をしないと、家や土地が相続した人のものだと証明できなくなるだけでなく、将来的に売却したい時にも大きな問題になります。

 

 

 

相続登記の手続き

 

上記の解決のために、2024年4月からは、不動産を引き継いだら、必ず名前を変える手続きをしなければならなくなりました。

 

もしもこの手続きをしないと、最終的には10万円以下の罰金が課されることもあります。

 

また、新しい制度として「相続人申告登記」というものも始まります。

 

これは、相続人が自分が引き継いだことを簡単に登記するもので、これをすると罰金を避けることができます。

 

相続登記をするには、まず司法書士に相談して、必要な書類を揃えます。

 

その後、司法書士に手数料を払い、手続きを進めてもらいます。手数料相場は、だいたい6万円から8万円ほどです。

 

また、登録免許税という税金も払う必要がありますが、これは不動産の価値によって大きく変わります。

 

 

 

 

||空き家対策特別措置法のルール改正||

 

2023年12月からは、誰も住んでいない家を放置することに関するルールも厳しくなりました。こちらも解説します。

 

 

 

法改正までの背景

 

この新しい規則は、放置された家が近隣に不便をもたらしたり、町の景観を損ねたりすることを防ぐために設けられました。

 

特に、家が古くなって壊れやすい状態にある場合、そのままにしておくと近隣に迷惑がかかることがあります。

 

放置された家があれば、その家の土地にかかる税金が上がる可能性があり、結果として、所有者の負担が増えることになるのです。

 

最近日本では、空き家が増え続けていて、将来的にさらに増えるだろうと予想されています。

 

以上のことから、空き家の問題に対処するための対策を強化することがとても大切になってきました。

 

改正の目的は、問題を引き起こす可能性のある空き家を早い段階で取り扱い、適切に管理したり、有効に活用したりすることにより、空き家問題について包括的に対応することです。

 

 

 

法改正の主なポイント

 

 

1.所有者の責務強化

 

所有者は適切な管理を行う努力義務を負っており、この改正により、国や自治体の施策への協力に関する努力義務が新たに加わりました。

 

 

2.空き家などの活用拡大

 

空家等活用促進区域

 市区町村が活用促進区域及び活用促進指針を定めることにより、接道規制や用途規制を合理化し、空家の用途変更や建替えを促進します。

 市区町村長は、区域内の空家の所有者に対して、指針に沿った活用を要請することができます。

 

空家等管理活用支援法人

 空家の管理や活用に取り組むNPO法人や社団法人等を、市区町村長は空家等管理活用支援法人として指定することが可能です。

 

 

 

3.空家等の管理の確保

 

市区町村長は、放置されることで特定空家になる可能性がある空家を「管理不全空家」として指導や勧告を行います。

 

管理不全空家の敷地については、固定資産税の住宅用地特例が解除となる場合があります。

 

 

 

4.特定空家等の除却等

 

・市区町村長には、特定空家の所有者に対する報告徴収権が付与されます。

・事前手続きを経ることなく緊急の対応が必要な場合、緊急代執行制度が創設されます。

・所有者が不明の場合の略式代執行や緊急代執行の費用徴収が円滑に行われるようになります。

・市区町村長は、財産管理人の選任請求権を持ちます。

 

 

 

||不要な空き家がある場合||

 

もしも亡くなった方から不動産を引き継いだ場合、その家に今誰も住んでいないとしたら、売りに出すことを考えてみてはいかがでしょうか。

 

でもその前に、必ず相続登記をしておくことが大切です。

これにより、その家や土地がしっかりと自分のものだと証明できます。この手続きを済ませれば、家を売ることができるようになります。

 

最終的に、亡くなった方から家や土地を引き継ぐときの名前の変更や、使われていない家に関する新しい規則は、私たちにとって非常に大事なことです。

 

これらの規則を守ることで、将来にわたって問題が起こるのを防ぎ、不動産を円滑に売却することができます。

 

もし将来的にでも不動産の売却を視野に入れている、検討している場合は、是非ご相談ください。丁寧なサポートをお約束します。