古家付き土地の売却費用と税金について
2025年10月20日
前回の記事では、古家付き土地の売却のメリットとデメリットについて解説しました。
今回は古家付き土地の売却費用と税金についてをまとめました。
必要な費用はいくらくらいなのか、相場を掴んでいただけたらと思います。
これらの費用と税金は、前回の記事で解説したどの方法で売却をしても、同じようにかかります。
下記がメインでかかる費用となります。
・不動産仲介手数料
・解体費用
・測量費用
・登記費用、抵当権抹消費用
・譲渡所得税
・印紙税
・固定資産税
それぞれ解説をしていきます。
||不動産仲介手数料||
古家付き土地の売却仲介を依頼した不動産会社に支払う報酬となります。
売買代金ごとに上限が決まっています。
売買代金 計算式
200万円以下 代金の5%
200〜400万円以下 代金4%+2万円
400万円以上 代金の3%+6万円
例:1000万円の古家付き土地の場合
1000万円×3%+6=36万円+消費税
以上が報酬額となります。
||解体費用||
古家を解体してから売却する場合、解体費用がかかります。
木造建築の解体相場は、現在坪単価が4〜5万円前後です。
例:延床面積100坪の古家を坪単価5万円で解体する場合
坪単価5万円×100万円=500万円
もしも平米数の場合は、3.3で割ると、おおよその坪数を算出できます。
例:330平米の場合 100坪
また、解体費用は古家の取り壊しだけでなく、廃棄物の処分費用、近隣への防音、防塵対策の費用も含みます。
追加料金が発生する事例としては、狭小地で重機やトラックが入らない場所の場合、手壊しとなり人件費がかかるケースや、大通りに面している場合に歩道と解体現場の通路を確保するためのガードマンを配置するなどがあります。
||測量費用||
家の売買をするときには不動産の正確な地図や境界線確認のために、測量図が必要です。
測量図は法的な効力がある書面のため、万が一、近隣との境界線の位置などでトラブルになった場合にとても有効です。
測量図は多くの場合、その土地の所有者が持っているか、その土地の登記がある法務局で預かりがあることがありますので、まずは測量図の有無の確認をしましょう。
見つからない場合は、売主負担で測量図の作成が必要になることがあります。
その場合は、不動産会社が境界杭をもとに実測したものと、登記簿謄本にある土地面積を照会して、売主と買主が納得の上であれば、登記簿にある数値での売買は進めることができます。
ただし、境界杭が見つからない場合や、境界杭での実測と登記簿に記載のある数値に大きな隔たりがある場合は、測量図が必要になることもあります。
また、地価が非常に高いエリアの場合、数10センチの違いで売買代金が大きく変わってしまうこともあります。
費用相場は依頼する内容と、測量会社によってバラつきがあります。
土地家屋調査士連合会の報酬ガイドによれば、測量図のない土地の測量図面作成と分筆などの手続きにかかる報酬の全国平均は約48~72万円ですので、平均的な住宅を建てる大きさの土地を測量する場合は、測量~書類作成までの作業を入れてこの金額の範囲が目安です。
||登記費用、抵当権抹消費用||
土地の売買をすると、不動産の所有者が変わり、所有権が移動します。
不動産の所有者や所有方法が変わったときにかかる税金を登録免許税と言います。
登記を受ける人が納税義務者なので、売買の場合は売主・買主がそれぞれに納税するのですが、不動産業界の慣例として買主が負担します。
・所有権移転登記費用
古家付きの土地の売却をすると、土地の所有権が売主から買主に移ります。
この所有権の移転登録手続きをするときに、以下のような計算方法で、登録免許税がかかります。
土地
課税対象:不動産価額
税率:2%
軽減措置:1.5%
家屋
課税対象:不動産価額
税率:2%
軽減措置:0.3%
・ローンの抵当権抹消費用
売却する古家付きの土地に住宅ローンが残っていると、その不動産には抵当権がついたままです。
売却して所有権が移転するときには、抵当権抹消登記のための登録免許税がかかります。
税額は土地・建物それぞれ1件につき1,000円です。
古家のついた土地の場合は、土地と建物で2,000円、更地にした場合は、1,000円となります。
・司法書士報酬
司法書士に上記の手続きを依頼した場合、別途で司法書士報酬が必要となります。
全国平均では抵当権の抹消に15,000円程度
所有権移転登記には40,000円〜90,000円程度と言われています。
もしも所有権移転登記と抵当権抹消を依頼する場合は、2件分の費用がかかります。
||譲渡所得税||
譲渡所得税とは、不動産を売却したときに、利益が出た場合にかかる税金です。
利益が出なかった場合は課税されません。
譲渡所得税は、譲渡所得に税率をかけて計算します。
譲渡所得とは、売却した値段のことではなく、売却金額から取得費と譲渡費用を引いた金額のことです。
計算式
譲渡所得=収入金額-取得費-譲渡費用(-特別控除額)
※収入金額:古家付き土地の売却額
売買時に固定資産税などの清算をした場合はその金額も含む
※取得費:今回売却をする、古家付き土地を購入したときの費用
・土地の購入代金
・購入時にかかった税金 印紙税、登録免許税、不動産取得税など
・仲介手数料
・譲渡費用:今回売る、古家付き土地を売るためにかかった費用です。
・不動産仲介手数料
・印紙税
・解体費用
||印紙税||
不動産の売買契約を結ぶときには、その契約書に貼る印紙代として、印紙税がかかります。
印紙税額は契約金額、つまり土地の売却価格によって以下のように決められています。
契約金額 税額
500〜1,000万円以下 1万円
1,000〜5,000万円以下 2万円
5,000万〜1億円以下 6万円
1〜5億円以下 10万円
||固定資産税||
固定資産税は、毎年1月1日時点で土地や家屋などの不動産を所有している人にかかる税金です。
税額は、自分で計算しなくても、毎年送付されてくる固定資産税の支払い帳票に合計額が記
載されています。
古家付きの不動産を売却する場合は、売却した時点までの固定資産税を日割りで清算します。
固定資産税と一緒に徴収される都市計画税がありますが、都市部でない場合は都市計画税は課税されません。
いかがでしたか。
もしかしたら予想していた以上に費用がかかると感じた方もいたかもしれません。
今すぐの売却でなくても、不動産屋に相談し今後先を見据えた時にどのくらいの費用がかかるのかを知っておくのも、いざという時に慌てないためにおすすめです。
