古家付き土地の売却のメリット・デメリット

2025年10月11日

古家付きの土地を所有していても、より良い売却方法が分からずにそのままになっていないでしょうか。

 

古家付きの土地をどのように売るべきか判断できるよう、今回は3本立てでまとめました。

 

・3つの売却方法別のメリットデメリット

・古家付きの土地を売却する時の費用と税金

・古家付きの土地を売る前の注意点

 

今回は、1つ目の「3つの売却方法別のメリットデメリット」についてお伝えしていきます。

 

3記事を読むと、お持ちの土地をどのような方法で売ったら良いかが分かります。

 

ぜひご一読ください。

 

 

 

||古家付き土地の売却3タイプ別 メリット・デメリット||

 

前提として、古い家の定義はありませんが、木造の耐用年数が22年のため、およそ22年を目安として、家が建ったままの土地を「古家付き物件」と呼びます。

 

耐用年数とは、税法上のものの資産価値を表し、建物の構造別に年数が決まっています。

 

耐用年数を過ぎるとその物の価値はゼロとなります。

 

ただし、古い家であったとしても、適切なリフォームがされていて快適に住める状態でしたら、中古物件としても扱えます。

 

この判断は不動産担当者や、物件を求める人の要望に変わります。

 

古い家のある土地の売却方法として、土地・中古物件の両方で出しておくのが良いでしょう。

 

 

1.土地として売却する

 

メリットは

・解体費用が不要

・固定資産税が安い

・住宅ローン対象で売りやすい

 

一方デメリットは

・場所が悪いと売りにくい

・値引き要求がある可能性あり

・埋蔵物が出てくる可能性あり

 

 

それぞれ、解説していきます。

 

 

(1) 土地を売却するメリット

 

土地に古い家がついている条件のもと売りに出すため、解体費用が不要になります。

 

たいてい、飼い主は住宅ローンを組む予定で土地を探しているため、つなぎ融資やリフォームローンなどの特殊なローンを組んでから住宅建築プランを作り、家を建て始めたら住宅ローンに切り替えるという面倒な手続きが必要です。

 

そのため、最初から家が建っている「古家付き土地」であれば、すぐに住宅ローン(古家を最終的に取り壊すことになっても)が組めるため、マイホーム探しをしているほとんどの方が対象になり、特にエリアが良いと、売りやすい不動産物件になります。

 

また、土地に家が建っている状態だと、更地に比べて1/6の固定資産税のままで売却ができます。

 

 

(2) 土地として売却するデメリット

 

マイホームとしてのエリアの条件が悪いと、売れるまでに時間がかかる場合があります。

駅から離れていたり、近隣にスーパーがないなどです。

 

また、買い主は古家を解体しないと新築をできないため、その解体費用分の値引きをされる可能性があります。

 

そして家屋が建っているケースでは、地中に何かが埋まっていないかなどを調べることができないため、買主が古家を解体した後、地中に埋蔵物があった場合は、内容によっては撤去費用を請求されることがあります。

 

過去の事例では、古家を解体後、岩石や古い浄化槽、使わなくなった井戸なども出てきたことがあります。

 

 

 

2.中古戸建てとして売却する

 

メリットは

・住宅ローン対象で売りやすい

・解体費用がかからない

 

 

デメリットは

・ニーズが少ない

・値引き要求の可能性

・契約不適合責任が発生

・契約不適合責任が発生する可能性

 

 

(1)中古戸建てとして売却するメリット

 

普通の中古物件としての流通ですので、中古住宅を探しているかたが対象で売りやすいというメリットがあります。

 

また、そのまま住む予定のため、買主売主とも解体費用が不要です。

 

 

(2)中古戸建てとして売却するデメリット

 

新築好きの日本人は、特にマイホームでの中古物件は買いたがらない傾向があり、中古市場でマイホームを探す買主の分母は小さめです。

 

ただし昨今は、わざわざ中古住宅を買ってから自分好みにリフォームなどで手入れをして使うライフスタイルも流行ってきているため、従来に比べれば需要は増えています。

 

 

どれほど適切なメンテナンスがされてきた家でも、本来ならば資産価値がほぼ0の家屋ですので、使用してから分かる瑕疵は必ずあります。

 

中古住宅売買に関した瑕疵の責任に関しては、「契約不適合責任」という民法があり、買主が契約内容に適合していないと判断した事柄に対して、売主が補修や代金補填などで対応する、または契約解除ができるという任意の取引条件です。

 

しかし古家の場合、引き渡し後にも次々と問題が起きる可能性のほうが多く、契約不適合責任があることによって買主の負担が増大する可能性もあります。

 

このような場合は、最初から「現状渡し」を承諾してくれる前提で売買契約をすることで、トラブルを防ぐことが可能です。

 

 

3.更地にして売却する

 

メリットは

・宅地需要で売りやすい

・相場より高く・早く売れる

・古家の維持管理が不要

 

デメリットは

・解体費用がかかる

・固定資産税が6倍も高くなる

・解体により建築基準が変わる可能性がある

 

それぞれ見ていきましょう。

 

 

(1) 更地にして売却するメリット

 

 

マイホームを建てる買主にとっては、宅地としてすぐに建築が始められる更地は人気があります。

 

古家を撤去するときに、地中埋設物の確認ができるため、後々のトラブルの可能性も低いです。

 

更地は古家がある土地よりも高く売れますので、あらかじめ古家の解体費用を含んだ売却代金にすれば、赤字を出さずに売却することも可能です。

 

エリアが良ければ、相場より高くても短期間で売却できます。

 

また、古い家を取り壊してから売りに出しますので、家屋の維持のための費用が不要となります。

 

 

 

(2) 更地にして売却するデメリット

 

まず売主が解体費用を負担するため、家屋の大きさや構造によっては、大きな金額になる可能性があります。

 

また、敷地内に池・岩、大きな樹木などがある場合も費用が余分にかかります。更地にする場合は、必ず事前に見積もりを取り、どのくらいの金額になるのかを確認し、地中埋設物の可能性も確認します。

 

撤去に大きな金額がかかりそうな場合は、古家付き土地、または少し家に手を入れて中古住宅として売却する方法を選択したほうが、持ち出しが少なく済む場合があります。

 

これらは、売却をお願いする不動産会社に相談をしてから決めましょう。

 

また、古家を壊してしまったために、次に建てる家の大きさが変わってしまうことがあります。

 

旧建築基準法で建てられた家は、現状からリフォームするのであれば大きさなどを変えずに使い続けることができますが、いったん取り壊してしまうと、新法のルールに沿った建造物しか建てられません。

 

特に、古家が敷地面積いっぱいに建っている場合、次に建てる家は同じような土地の使い方ができず、延べ床面積が小さくなる傾向があります。

 

こちらも、更地にしてしまうことで売却デメリットにならないかを事前に不動産会社に相談しましょう。

 

 

 

 

いかがでしたか。

 

まずは売り方のタイプ別のメリット・デメリットをまとめました。

 

少しでも売り方のイメージがつき心づもりができれば幸いです。