<2025年版>金利タイプの選び方2

2025年02月01日

さて、金利に関して2記事目、これからの住宅ローン選びの基礎となる情報をお伝えします。

 

今回は変動金利、固定金利それぞれの特徴について書きます。

 

 

 

||住宅ローン「金利タイプ」の違いと向いている人||

 

 

住宅ローンを組む方で、固定か変動かで迷う方がほとんどではないでしょうか。

 

住宅ローンの金利タイプには、「変動金利」で借りる「変動型」、すべての返済期間を「固定金利」で借りる「全期間固定型」、そして、「当初10年」など決まった期間は「固定金利」が適用され、その後は「変動金利」に移行する「固定期間選択型」の3タイプがあります。

 

 

この中で、どのタイプが選ばれているかというと、現状では「変動型」を選ぶ方がほとんどです。

 

低金利時代が長らく続いた影響もあり、現時点では金利が低く設定されている「変動金利」で住宅ローンを借りる人が圧倒的多数です。

 

ただし、どの金利タイプが合うかは人それぞれです。

 

金利タイプごとの特徴や、今後の金利動向をふまえ、適切に選ぶ必要があります。

 

今回は、特徴はもちろん、どんな人がそれぞれの金利に向いているのかなどを書いていきます。

 

 

 

 

||「変動金利」と「固定金利」のそれぞれの特徴||

 

 

まず、「変動金利」ですが、一般的に「固定金利」よりも低い金利になります。

 

ただし、「変動金利」で住宅ローンを契約すると、借入後、半年ごとに借入金利(適用金利)が見直されます。

 

仮に金利が上昇した場合には、返済額が増えます。

 

「変動金利」にこうしたリスクがあることは頭に入れておく必要があります。

 

なお、多くの金融機関には、「変動金利」の住宅ローンにおける金利変動の影響を緩和させる仕組みとして、「5年ルール」や「125%ルール」といったものがあります。

 

5年ルールは、金利が上昇しても、5年間は毎月の返済額が変わらないというものです。

 

住宅ローンの毎月の返済額には「元金の返済部分」と「利息部分」がありますが、5年ルールがある場合は「元金と利息」の割合を調整することで返済額が一定に保たれ、5年後にあらためて返済額が見直されます。

 

また、毎月の返済額が見直される場合も、125%ルールによって従前の毎月の返済額の1.25倍までとなる。
両ルールとも、返済額の急激な増加を防ぐメリットがあるいっぽう、元金の減りが遅くなる分、総返済額が膨らむなどのデメリットもあります。

 

 

 

||変動金利の現状||

 

 

既出の「短プラ」の影響を受けます。各金融機関は、「短プラ」に1%程度の金利を上乗せして、「変動金利」の「基準金利」を決定します。

 

 

2024年、「短プラ」が1.475%から1.625%へと、17年ぶりに引き上げられました。

 

では、各銀行の「変動金利」への影響はどうなっているのでしょうか? 2024年12月時点における、主な銀行の「新規に住宅ローンを借りる人向け」の「適用金利(最優遇)」は下記のとおりです。

 

・三菱UFJ銀行……年0.345%(基準金利:年2.625%)
・みずほ銀行……年0.375%(基準金利:年2.475%)
・三井住友銀行……年0.625%(基準金利:年2.625%)
・りそな銀行……年0.390%(基準金利:年2.625%)※キャンペーン・特典利用時

 

※2025年1月現在

 

 

 

||変動金利に向いている人||

 

 

特徴も一緒にまとめると、下記のようになります。

 

・「変動金利」は「固定金利」と比べて低い「適用金利」で借りられることが多い。

 そのため返済開始当初のローン負担を軽減したい人に合っています。
・もしも将来にわたり低金利の状態が続けば、総返済額がもっとも少ない返済方法となる可能性があります。
・金利が上昇した場合には、返済額が増えるリスクがあります。

 

したがって、「変動金利」は、リスク許容度が高く、金利変動に対する適応力に自信のある人に向いている金利タイプと言えます。

 

 

 

||固定金利の現状||

 

 

既出のとおり、「固定金利」は、「全期間固定型」と、当初10年など決まった期間が「固定金利」で、その後「変動金利」に移行する「固定期間選択型」に分かれます。

 

「固定金利」は、一定期間金利が変わらないため、毎月の返済額が安定するのが特徴です。

 

ただし、一般的に、「固定金利」は「変動金利」よりも金利は高めです。

 

また、「全期間固定型」の場合は返済期間が長くなるほど金利は上がります。「固定期間選択型」の場合も、「固定金利」が適用される期間が長くなるほど金利は上がります。

 

 

 

「固定金利」には「長期金利」が影響します。そして、「長期金利」の代表的な指標となるのは、「新発10年物国債」の利回りです。この利回りも、2024年に約11年ぶりに1%を超えて話題になるなど、上昇傾向にあります。

 

一例として、住宅金融支援機構の長期固定金利型住宅ローン「フラット35」に注目してみます。

 

ここ2年間の「フラット35」の金利は、上昇と低下を繰り返しつつ、“ほぼ横ばい”と言ってもよい状況です。

 

「フラット20」は、2023年春の低下の幅は「フラット35」よりも大きいものの、それ以降は似たような傾向。

 

「フラット50」は2024年春にやや大きな目な低下があり、それ以降はやはり似たような傾向が見られます。

 

これらを見る限り、現段階では金利の上昇は限定的と言ってよく、長期的に見て「低金利」と言える水準が継続しているようです。

 

ただし、直近ではゆるやかな上昇傾向にあることは間違いなく、今後の金利動向には注視すべきでしょう。

 

 

 

 

||固定金利に向いている人||

 

 

変動金利と同様、特徴とともにまとめると下記のようになります。

 

 

・「全期間固定型」は、毎月の返済額が変わらないことを優先したい人に適した金利タイプです。

 

・借入金利が完済時まで固定されるため、長期の返済計画が立てやすいのが魅力です。
・ただし、現状、「変動金利」と比べると一般的に借入金利は高く、総返済額は必ずしも最安とならない可能性があります。
・また、借入金利が固定されるため、市場金利が仮に低下する局面では「変動金利」で借りていた場合に比べて、より多くの利息負担を強いられる可能性があります(金利下降リスク)。
・金利上昇は心配だが、全期間を固定したくないという人は、「全期間固定型」と「変動金利」の中間的な位置づけである「固定期間選択型」や、「変動金利」と「固定金利」を1本のローンに組み合わせる「ミックスローン」を選ぶのも一案です。

 

 

 

いかがでしたか。

 

これまでと劇的に金利が変わっているとまでは言えませんが、今後は金利の上昇が十分に考えられます。

 

これから住宅ローンを組む人は、こうした状況に対応しながら、最善の選択を探る必要があります。