住宅ローンの基礎知識3|金利について
2024年12月21日
住宅ローン金利が、今後どのように変化していくか予測することは難しいです。
ですが住宅ローンを選ぶ際には、これまでの金利動向も踏まえて選ぶことが重要です。
例えば平成2年10月には変動金利型は8.5%まで上昇しましたが、
日銀のゼロ金利政策が始まった平成11年2月以降はほぼ一貫して歴史的低金利水準が続いています。
ただし、現在の住宅ローンの低金利は、金融政策により維持されている状況です。
そのため、今後の金利動向については注意が必要です。
今回は、まず住宅ローンの金利について解説していきます。
これを読むと、一度も住宅ローンを組んだことがない場合でも、金利についてイメージが湧きやすくなると思います。
金利パターンについて、代表的なものが3つあります。
全期間固定金利型
借り入れた時の金利が全返済期間、変わらないという特徴があります。
メリット
・借入れ後に、金利が上昇しても将来にわたり借入時の金利による返済額が確定
そのため、
・借入時に返済期間全体の返済計画が決められる
デメリット
・借入れ後に金利が低下しても返済額が変わらない
固定金利期間選択型
特徴は「当初3年間○%」など、一定期間の固定金利が適用されます。
メリット
・固定金利期間中は返済額を確定できる
・借入れ後に金利が低下すると、返済額が減少する
デメリット
・借入れ後に金利が上昇すると、返済額が増加する
・借入時に固定金利期間終了後の返済額が確定しないため、返済計画が立てにくい
変動金利型
特徴は、金融情勢の変化に伴って、返済の途中でも定期的に金利が変動する点です。
メリット
・金利固定期間が長いものよりも金利が低めのことが多く、借入時の金利水準が変化しない場合は低金利が継続する
・借入れ後に金利が低下すると、返済額が減少する
デメリット
・借入れ後に金利が上昇すると、返済額が増加する
・借入時に将来の返済額が確定しないため、返済計画が立てにくい
||ミックスプランを選ぶ||
ミックスプランという言葉を聞いたことはあるでしょうか。
1つの金利タイプの借り入れではなく、2つの金利タイプを組み合わせて借り入れることを言います。
異なる金利タイプを組み合わせれば、それぞれの金利タイプのメリットによって、組み合わせる金利タイプのデメリットを補うことができます。
金利タイプの組み合わせや借入額の比率により、金利変動の影響度合いが異なりますので、金利変動リスクを認識したうえで利用しましょう。
例として、全期間固定金利型と変動金利型を組み合わせた場合を挙げます。
全額を全期間固定金利型で借り入れる場合と比較
・メリット
当初の返済額を軽減できます
・デメリット
将来、一定以上金利が上昇した際、ローンの返済総額が多くなる
全額を変動金利型で借り入れる場合と比較
・メリット
将来、金利が上昇した場合は、返済額の増額を抑えられる
・デメリット
将来、金利が下降した場合は、ローンの返済総額が多くなる
FPプランナーや金融機関で、様々なパターン比較してみると良いでしょう。
||未払利息とは||
一般的な変動金利型ローンの場合には、金利が大きく上昇すると、毎月の返済額の利息部分の内訳が大きくなります。
ついには元金の内訳がなくなることがあります。
さらに利息が毎月の返済額を超えてしまう場合は、毎月の返済額では支払いきれない利息が発生します。
その毎月の返済額を超えた部分の利息を『未払利息』といいます。
||店頭表示金利からの金利引き下げ||
金融機関によっては、店頭表示金利を引き下げるというプランがあります。
金融機関が定める条件を満たす場合、店頭表示金利から一定の幅で金利の引き下げがあります。
下記のプランがあります。
当初期間の金利引き下げ幅が大きいプラン
店頭表示金利からの金利引下幅について、当初期間の方が、当初期間終了後から返済終了までの金利引下幅に比べて大きいタイプです。金融機関によって、当初の引下期間が終了した後の取り扱いは異なります。
例 固定金利期間選択型(5年)
当初5年間 店頭表示金利:3.0% 引下げ後金利:店頭表示金利から2.2%引き下げ
6年目以降 引下げ後金利:店頭表示金利から1.4%引下げ
全期間の金利引き下げ幅が同じプラン
借入当初から返済終了までの全期間、店頭表示金利から一律で金利が引き下げられます。
例 固定金利期間選択型(5年)、店頭表示金利:3.0% 引下げ後金利:全期間にわたり店頭表示金利から1.8%
いかがでしたか。金利について、例を用いて解説しました。
様々な借り入れ方があります。ぜひ金融機関に相談し、より良いプランを探していきましょう。