金利1%増による住宅ローンの影響

2026年06月27日

近年、金融政策の一環として、日本銀行は市場の短期金利を引き上げています。

 

今回は、そのことによる住宅ローンの影響についてと、その場合の対応策について解説していきます。

 

 

 

||日銀の金融政策について||

 

日銀は、2024年3月に長く続いたマイナス金利政策を解除し、2024年7月と、2025年1月、12月と段階的に政策金利を引き上げてきました。

 

そして直近では2026年6月の金融政策決定会合で、政策金利は0.75%から1.0%へと引き上がりました。

 

31年ぶりのことです。

 

1年半の間に、約1%近い利上げが行われています。

 

政策金利が上がると銀行預金の金利が上がるメリットはありますが、住宅ローンの金利も上がってしまいデメリットを感じる方も多いでしょう。

 

 

 

||利上げとは||

 

日銀が金融政策の一環として、市場の短期金利を引き上げることを利上げと言いますが、銀行がお金を仕入れるコストが上がるということです。

 

銀行がお金を仕入れるコストが上がれば、そのお金を貸す時のコストも上がります。

 

私たちが住宅ローンを借りる際の金利が上がるのはそのためです。

 

日銀が利上げを決め、金利が上昇すれば、住宅ローンの毎月の返済額も増えます。

 

住宅ローンには、変動金利、固定金利の大きく分けて2パターンありますが、日銀の利上げにより注意するのは変動金利型の住宅ローンを利用している方です。

 

 

変動金利型の住宅ローンは、半年ごとに金利が見直される仕組みで、政策金利の変化が反映されやすいのが特徴です。

 

短期プライムレートを基にした金利から、金融機関ごとに定める割引をした金利です。

 

割引の大きさが金融機関によって異なり、変動金利の水準も金融機関により違います。

 

※短期プライムレート…金融機関が優良企業向けの短期貸出(1年未満の期間の貸出)に適用する最優遇金利

 

 

2024年半ばまでは多くの金融機関で1.475%が多かったですが、2024年から2025年にかけて引上げられ、2026年1月時点で1.875%前後としている金融機関もあります。

 

なお、変動金利だけに影響があるわけではありません。

 

固定金利型の住宅ローンでも、借入時の金利は市場の金利が上昇すれば変動します。

 

固定金利とは、主に10年もの国債利回りに影響を受けます。

 

全期間固定金利の住宅ローン「フラット35」の金利(最低値)と10年もの国債利回りを比べると、固定金利も上がっています。

 

2026年1月は2.08%と、2%を超えています。

 

 

 

||金利上昇による返済額の変化||

 

 

ではどのように返済額に影響があるのでしょうか。

 

実際は利上げがあっても、すぐに返済額が増えるわけではありません。

 

多くの金融機関では、変動金利に「5年ルール」「125%ルール」というのを定めています。

 

 

・5年ルール

 

住宅ローンの毎月の返済額が「5年に1度見直しをする」ルールです。

 

変動金利で住宅ローンを借りたときの金利は、半年に一度見直されます。

 

しかし、それによって金利が上昇しても、5年ルールによって実際の毎月の返済額は5年に1度しか変わらないのが特徴です。

 

 

 

・125%ルール

 

変動金利の変動によって返済額の見直しがあっても、見直し後の月々の返済額は「前回の返済額の125%までしか増えない」というルールです。

 

例えば毎月の返済額が10万円だった場合、住宅ローン金利がどれだけ上昇していたとしても、返済額は12万5,000円までしか上がらない仕組みです。

 

 

一方で、固定金利型の住宅ローンは、利上げがあっても返済期間中は契約時の金利が保たれます。

 

そのため契約後の利上げの影響は受けにくいです。

 

 

 

||金利1%上昇でいくら返済額が変わるか||

 

具体例を見てみましょう。

 

借入額:3,000万円

返済期間:35年

返済方法:元利均等返済

金利タイプ:変動金利型

 

金利が年0.78%と年1.78%の返済額を比較します。

 

金利0.78%

月々の返済額:81,644円

総返済額:34,290,583円

 

金利1.78%

月々の返済額:96,025円(差額14,381円) 

年間増加額:172,572円

総返済額:40,330,399円(差額6,039,816円)

 

比較すると、月々約14,000円ほどの差が、35年間で約604万円もの差が生まれることが分かります。

 

もしも契約時点で0.78%だった金利が5年後1.78%に上昇した例だとしたら、1%金利が増えることによる住宅ローンの返済額は約1.18倍であり、125%ルールに抵触しません。

 

そのためこの金額は現実に起こり得ることになります。

 

 

 

||金利上昇の対策||

 

上記のことから、金利上昇により返済の負担が増えることが分かりました。

 

対策としては下記の3点です。

 

・金利が上昇しても返済が続けられるかを確認

 

まずは先ほどの事例のように、どのくらい返済額が増えるのかをシミュレーションしましょう。

 

問題なく返済を続けられるかを長期的にみて確認します。

 

 

・残債金額が多い場合は、繰上返済が可能かを確認

 

繰上返済とは、住宅ローンの元金の一部もしくは全額を返済することです。

 

繰上返済をして元金を減らしておくことで、将来的に金利が上昇した後の利息の負担を抑えることができます。

 

 

・家計に無駄がないか

 

真っ先に見直したいのは固定費です。

 

通信費、水道・光熱費、保険料、その他年会費や月回避など、毎月や毎年一定額かかるものです。

 

固定費は一度見直せばその効果が続きます。

 

スーパーなどでも現在値上げラッシュで家計を圧迫しているものがあり経済のやり繰りが必要になっています。

 

できるだけ無駄使いがないかなど洗い出して費用を削減しましょう。

 

 

 

いかがでしたか。

 

金利が上昇する上での住宅ローンの影響や対策をまとめました。

 

少しでも今後住宅の購入に対するイメージが湧き、負担が大きくなりすぎない資金計画を立てる参考にしていただければ幸いです。