リースバックの3つのデメリット
2025年06月22日
リースバックは、住み慣れたご自宅に住み続けながら資金を確保できる有効な手段の一つです。
ですが、すべての方にとってベストな選択肢とは限りません。
不動産のプロの視点から、リースバックを検討する際に知っておくべき3つの注意点をご紹介します。
||売却価格が市場価格より低くなることがある||
リースバックでは、購入後に家賃収入を得る前提で不動産会社が価格を設定します。
そのため、物件の市場価値よりも利回りを優先した価格での買取となる傾向があります。
仮に高値で売却できたとしても、その分、月々の賃料が高くなり、長期的な負担が増してしまうケースもあるため注意が必要です。
売却価格だけでなく、家賃とのバランスを見ながら総合的に判断することが大切です。
||毎月の家賃支払いが新たな負担になる可能性||
リースバック後は、オーナーではなく借主として家賃を支払う立場になります。
賃料は立地や築年数、売却価格などの要因によって決まり、場合によっては近隣相場より高くなることもあります。
資金調達はできたものの、家賃の支払いが重荷になってしまっては本末転倒です。
将来の生活設計を踏まえて、無理のない家賃設定を目指しましょう。
複数の会社に査定を依頼し、条件を比較することも有効な手段です。
||住み続けられる期間には制限がある||
リースバックでの賃貸契約は「定期借家契約」が主流で、契約期間終了後は再契約が必要です。
ただし、貸主の意向によっては再契約ができず、退去を求められる可能性もゼロではありません。
長く住み続けたい場合は、契約期間をできるだけ長く設定するか、「普通借家契約」への変更が可能かを事前に確認しておくと安心です。
||リースバックで後悔しないためのポイント||
ご自宅を売却することは人生の中でも大きな決断です。リースバックを選ぶ際は、以下の点にしっかり目を向けましょう。
● 契約条件は細かくチェックを
売却価格や家賃、契約期間、契約形態(普通借家か定期借家か)、買戻しの有無など、すべての条件を明確に確認しましょう。
特に「買戻し特約」や「第三者への売却制限」の有無は後々のトラブル防止につながります。
● 相場と比較して適正価格を見極める
売却額や家賃が適正かどうかを判断するためには、周辺の不動産価格や、他社のリースバック条件と比較することが重要です。
納得のいく契約にするためにも、複数社から情報を集めることをおすすめします。
||よくあるトラブル事例とその対策||
リースバックには資金調達という大きなメリットがある一方、契約後に想定外の問題が発生するケースも見受けられます。
● 家賃の支払いが困難に
当初の想定より家賃が高く、生活費を圧迫する事例は少なくありません。
契約更新時に賃料が上がることもあるため、将来的な支払い能力を見越した設定が必要です。
● 賃貸契約が更新できず退去に
定期借家契約の場合、契約終了時に再契約できなければ退去が求められます。
安定した居住を希望する方は、契約形態や再契約の条件を事前に確認しておくことが大切です。
● リースバック業者の倒産リスク
契約後に業者が倒産すると、所有権が第三者に移る可能性があり、新しい所有者から退去を求められる場合もあります。
信頼性の高い不動産会社を選ぶことが何より重要です。
||リースバック以外の選択肢も検討を||
ご自宅を手放さずに資金を確保する方法もあります。不動産のプロの立場から、以下の2つの選択肢をご紹介します。
● リバースモーゲージ
自宅を担保に融資を受け、契約者が亡くなった際に物件を処分して返済する仕組みです。
原則として利息のみを支払いながら住み続けられるため、高齢者の方に適した制度です。
● 不動産担保ローン
こちらは担保にした不動産を手放すことなく資金を得られる方法で、毎月の返済は元本+利息です。
完済すれば不動産の所有権はそのまま残るため、将来に資産を残したい方に向いています。
リースバックは非常に便利な手段ではありますが、安易な判断はトラブルの元です。
私たち不動産の専門家としては、リースバックの利点だけでなくリスクもしっかり理解した上で、将来設計に合った最適な選択をしていただくことをおすすめします。
ご不明点があれば、お気軽にご相談ください。不動産のプロとして、最適なご提案をさせていただきます。
