住宅ローンが残っている家の売却方法
2024年04月19日
「家を売りたい、でもまだ住宅ローンが残っていてどうしよう、、」
そう思っている方も多いのではないでしょうか。
住宅ローンが残っていても、家を売ることは可能です。
ですが、手間がかかることがあります。
住宅ローンの残債が売却価格よりも上回る、いわゆる「オーバーローン」の場合は、残債返済のために何らかの対応が必要だからです。
今回の記事では、住宅ローンが残っている家を売る方法をお伝えします。
残債がある住まいをより良い方法で売却するためにも、ぜひご一読ください。
||ローン残高といくらで売れるかを確認||
住宅ローンが残っている家を売ることはできますが、そのためにはローンの残りを完済する必要があります。
住宅ローンが残っている場合は抵当権という金融機関の権利が付いていることになります。
住宅ローンを完済することで、抵当権を抹消でき、売却が可能になります。
ですが、「家の売却価格」<「住宅ローンの残高」となる場合もあるでしょう。
そこでまず必要なことは、その家が、今いくらで売れるのかを確認する必要があります。その方法に付いてお伝えします。
1.住宅ローンの残高
残りの返済額がどのくらいあるのかは「償還表」で確認ができます。償還表が手元にない場合は、金融機関やローン会社に再発行を依頼しましょう。
2.いくらで売れるかを確認
不動産会社に現実的に売却できる価格の査定を依頼しましょう。
住宅ローンの残高と、不動産の売却で得られる金額が分かれば、オーバーローンとなるのかどうかが判断できます。
もしも不動産会社で査定価格を確認し、オーバーローンとなる(ローン残高が上回る)場合は、差額を自己資金で用意する必要があります。
||オーバーローンでも売却はできるか||
結論から言うと、オーバーローンでも家を売却することができます。
すでにオーバーローンになることが分かっている場合や、返済が難しいけれどどうしても売却を望む場合は、下記の2つの方法を選択します。
1.住み替えローン
こちらは、返済できなかったローン残債と次に買う家の代金を合算して借りることができるローンです。
例:ローン残債500万円、次に購入する家が2000万円だった場合
→住み替えローンで2500万円を借りて、返済できなかった500万円を返済します。
例でも分かる通り、住替えローンでは、買い替えをすることが大前提です。
次に家を購入する予定がない場合は、住み替えローンの利用はできません。
2.任意売却
2つ目は、住宅ローンを組んでいる金融機関に相談します。
住宅ローンが残っていると、先にも書いたように抵当権が付いているため、売却ができません。
ですが金融機関に依頼して売却すると、住宅ローンを完済ができなくても抵当権を外してもらえます。
これが任意売却です。
任意売却とは、住宅ローンの返済が困難になった場合に、抵当権が設定された住宅を法的手続き(競売)によらないで売却し、その代金によって残債務を解消する方法のことです。
通常は、金融機関は簡単に条件を受け入れないので、任意売却に対応している不動産会社を通して借入先の金融機関に相談と交渉を行います。
||残債のある家を高値で売却するポイント||
2つのポイントに絞りました。
1.写真にこだわる
家を購入するときにまず行うことは内覧です。
内覧者の人数が多いほど、それだけ高い金額で売却できる可能性が高くなります。
ですので、まずは内覧者数を増やすことに注目します。
今はインターネットで不動産物件を探す人が増えています。
そこで魅力的な写真を多く掲載することにより、閲覧数が増え、相場よりも少し高い金額で掲載していても、内覧希望者を集めることができます。
写真のポイントを下記にまとめました。
・広角レンズを使用、または広角カメラを使用する
・室内は最低限の家具を配置する
・照明を明るくする
・自然光が入る時間帯に撮影する
・水回り設備の水垢や、カビなどはきれいに清掃する
・天井が入るように下から撮影する
これらを意識して撮影したのとそうでないのでは差が歴然です。
不動産業者が撮影することがありますが、その場合もしっかりとチェックしましょう。
2.価格交渉に慣れる
価格交渉というと、難しく感じるかもしれませんが、決して難しくはありません。
内覧者数が多ければ、値引き無しで購入したいという人が出てくる可能性もありますし、価格交渉でお断りした後で、「やっぱり値引き無しで購入したい」という方も出てくる可能性があります。
||住宅ローンを返済中の家を売却する際の注意点||
通常の不動産売却でも、今回のように住宅ローンが残った家を売却する場合でも、諸費用がかかる点には注意をしましょう。
不動産業者が直接買取をしない場合、不動産業者にたいして仲介手数料がかかります。
各種の税金も売却時の出費となります。
いざ売却をするというときに、諸費用が足りないという事態にならないように、事前に理解をしておきましょう。
||買取りも視野に入れる||
売却を検討中の方や、また既に売却中であるものの、なかなか売れない方には買取をおすすめします。
中古マンションを例に挙げると、首都圏の中古マンションの平均販売期間は約2ヶ月と言われています。
コロナ禍を経て今が売り時と言われていますが、それにもかかわらず平均販売期間の3ヶ月以上が経過しても売却ができていない場合は、下記の要因が考えられます。
・販売価格が相場よりも高すぎる
・個人が買主となる「仲介」という売却方法では売りにくい物件である
もしも売却活動を始めてから3ヶ月以上となる場合は、「仲介での売却」から「買取」という売却方法を選ぶことも検討しましょう。
||仲介と買取の違いとは||
買取とは、一般的な仲介による売却と異なり、「不動産会社が直接買主」となります。
仲介会社は売主と媒介契約後、顧客への紹介の他に、チラシやインターネットなどで販売活動を広く行い、買主になる人を探します。
すぐに買主が現れて高く売れる場合は問題ありませんが、買主が見つからない場合は、販売期間が長期化したり、価格を下げざるを得なくなります。
一方で、不動産会社が買主となる買取は、買取価格は実際に購入可能な価格を示しているため、場合によっては最短数日で契約から決済まで完了させることができます。
||残債があって不安な方へ||
「自分だけが住宅ローンが残っている家を売る」と思う必要はありません。
不動産会社は、住宅ローンが残っている家の案件を非常に多く扱っています。
売却物件全体の半数以上は住宅ローンが残っている家、という会社もあります。
まずは専門家へ相談をし、住み替えローンを利用するなど対処していくことをおすすめします。