任意売却とは。メリットとデメリット

2023年05月13日

任意売却という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。

 

住宅ローンを何ヶ月も滞納してしまうと、金融機関はローンの回収のための手続きを開始します。

債務者は、自宅の差し押さえや強制的な売却を避けるために考えるのが任意売却です。

任意売却が必ず成立するとは限らず、競売の手続きが進められることもあります。

 

ここでは、任意売却により競売を回避するための方法やその流れについて解説していきます。

 

 

||任意売却とは何か詳しく||

 

任意売却とは、住宅ローンの返済に行き詰まった人が自宅を売却して住宅ローンの返済を行うことです。

任意売却として一般市場で不動産を売却するためには、債権者(借入先の金融機関など)の許可を得なければなりません。

 

物件には債権者が優先的に返済を得られる抵当権がついているのですが、任意売却が認められれば、抵当権が解除されて売却が可能になるのです。

 

任意売却をせずにローンを何ヶ月も返済しないと、最終的に自宅が「競売」にかけられてしまいます。

 

競売とは、債権者によって自宅が差し押さえられ、裁判所主導のもと強制的に物件が売却されていきます。

 

競売は、売却市場価格よりも大幅に低くなることが一般的なので、できる限り避けたいところです。

競売を回避するために、競売が開始される前に任意売却を選択すると良いでしょう。

 

 

 

||任意売却と競売の違い||

 

任意売却は、住宅ローンの借入金を滞納している人が、最終的にローンの全額を一括で変換するよう求められた際に、自宅を売却して借入金を返済する方法です。

 

金融機関は、住宅ローンの返済が滞っても、すぐには全額の返済を求めません。

借入をしている人には分割で返済することができる「期限の利益」があるためです。

しかし、何ヶ月も返済が進まない場合、期限の利益が認められなくなり、金融機関からまとめて返済を求められます。

 

この時、競売とは違い、金融機関の承諾を得て先に不動産の売却をするのが任意売却です。

 

一方競売は、所有者の同意なしで金融機関の申し立てにより、裁判所の手続きとして自宅を売却する(される)ことを言います。

 

どちらも、共に借入金返済のために自宅を売却することではありますが、その過程に大きな違いがあります。

 

 

任意売却を行なった場合、競売と比較してどのような特徴があるのでしょうか??

 

ここからは、任意売却のメリットとデメリットについて解説していきます。

 

 

 

||任意売却のメリット||

 

任意売却と競売では、対象となる不動産などの売却方法が全く異なります。

 

任意売却をした場合と競売をした場合、財産を売却するという目的は同じでも、その過程と結果には大きな差があります。

 

任意売却をした場合、不動産の売却価格は競売を行った場合と比較すると、高い金額になります。

 

表向きは任意売却は普通の不動産売買と同じように手続きが進むため、買い手からのマイナスイメージを持たれることがありません。

 

売却金額は一般的に市場価格の8〜9割程度となります。

 

 

反対に、競売により売却すると、取引相手に対しマイナスイメージになり、周辺の市場価格よりも安い金額になります。

競売で売却すると、市場価格の6~7割程度の価格になってしまうこともあります。

 

 

 

住宅所有者の情報公開が不要

 

先ほども書きましたが、任意売却は通常の不動産売買と同様の手続きで進められます。

そのため、任意売却していることや、ローンの返済に苦しんでいることを誰かに知れたりする心配はありません。

 

これに対して、競売の場合は、物件の情報が裁判所のホームページから公開されてしまいます。

 

裁判所のホームページは、誰でもアクセスができるため、その物件が競売に出ていることが知られてしまいます。

 

 

 

引越し費用を売却代金から捻出できることも

 

任意売却を行なった場合、売却代金から債権者が取得する分と、売主が取得する分とを話し合いで決定することになります。

 

そこで、任意売却により売却して得た売却代金から、引越し費用に充てる金額を受け取ることを条件にすることもできます。

 

また、そのほか諸費用の金額も、売却代金から受け取れるようにすれば、売却後の新生活にかかる金銭的な負担を減らせます。

 

反面、競売を行った場合は、売却代金は全て債権者のものとなるため、引越し代やその他諸費用が必要と分かっていても、その金額を売却代金から出してもらうことはできません。

 

 

 

引き渡し日を決めやすい

 

任意売却では、債権者がさまざまな条件を決めますが、その条件を満たすのであれば、好きな時期に売却の手続きを開始し、好きな時期に引き渡しを行うことができます。

 

競売の場合は、売主の希望日に引き渡しができるとは限りません。

例えば仕事の都合やお子さんの学校のスケジュールがあっても、希望を伝えることができません。

 

 

 

 

||任意売却のデメリット||

 

任意売却の取引自体には大きなデメリットはありませんが、

任意売却を行うことに金融機関が同意してくれないと売却ができませんので、

任意売却の取引に強い不動産業者、任意売却の経験が豊富な担当者を探すことも重要です。

 

任意売却が成立するかどうか分からないと、競売の手続きに進むことになります。

 

競売の手続きが進むと、取り下げができなくなる場合もあるため、注意が必要です。

 

任意売却が成立せずに競売が行われる可能性があるのが最大のデメリットと言えます。

 

そこで競売を回避するために、どのようなことができるのか、その実例をお伝えします。

 

住宅ローンの支払いを滞納している人が、自宅が競売にかかるのを回避する方法は大きく分けて2つです。

 

1つは残った住宅ローンを現金で全額返済すること、

もう1つは任意売却を行うことです。

 

しかし、滞納している人が住宅ローンを現金で全額返済をするのは難しいため、現実的な方法は任意売却となります。

 

 

任意売却とはどういうものか、また任意売却のメリットとデメリットをまとめました。

 

 

次の記事では、任意売却を成立するためのポイントをお伝えします。