親が所有する不動産対策

2026年05月22日

親御さんが所有する不動産について考えたことはありますか。

 

相続の話となると、縁起が悪いという理由で先延ばしにしがちです。

 

ひとまず元気なうちはそのままで良いと思う方も多いでしょう。

 

ですが近年、親の不動産をめぐるトラブルが急増しています。

 

元気なうちに先に決めておくことが、トラブル回避のコツです。

 

 

 

これからの時代は、売却・活用・贈与・相続をまとめて考えることが必要です。

 

今年は住宅ローン控除の延長や贈与特例の継続など、不動産にとっては追い風が吹いています。

 

ぜひ今回の記事で活用のポイントを押さえましょう。

 

 

 

||2026年に押さえておくべおき2つのこと||

 

まず一つ目は2024年4月から「相続登記」が義務化されました。

 

正当な理由なく義務に違反した場合は、10万円以下の過料の対象となるだけでなく、いざ売ろうとした時に権利関係が複雑で身動きが取れなくなるケースがあります。

 

2つ目は「認知症」という時間のリミットがあります。

 

親の判断能力が低下すると、不動産の売却や契約ができなくなる「資産凍結」の状態に陥ります。

 

こうなると、介護費用のために家を売ることすら困難になります。

 

 

 

||相続してからでは遅いケースも||

 

例えば、親が認知症になり、成年後見制度を使わないと実家が売却できないこともあります。

 

「相続が起きてから」では解決が極めて難しくなります。

 

 

 

||親の不動産の3つの選択肢||

 

親の不動産をどう活かしていくかを考えましょう。

 

1.売却

 

まず一つ目は売却です。

 

今後住む予定のない実家や不動産であれば、早めに売却して現金化する方法があります。

 

現金化ができると、有料老人ホームへの住み替え資金、老後の生活資金、相続時の分割対策など、柔軟に活用できます。

 

不動産を持ち続けることで負担となる固定資産税や管理、修繕、空き家リスクなどからも解放されます。

 

 

 

2.親が所有する不動産対策

 

活用方法としては、賃貸やリフォームをして二世帯住宅にする、またアパートや駐車場などの土地活用です。

 

ですが、その物件の立地条件や建物の老朽などによって、良し悪しが大きく分かれます。

 

不動産のプロによる現実的な収支判断が必須です。

 

 

3.贈与

 

親が元気なうちに、名義を子や配偶者に移すことで、将来の売却手続きがスムーズになり、管理や意思決定がしやすくなるメリットがあります。

 

税金のリスクが発生するため、税務のポイントを押さえましょう。

 

贈与税、登録免許税、不動産取得税のコストがあります。

 

 

 

||生前贈与で使える主な特例制度||

 

一定の条件を満たせば、税負担を軽減できる特例制度があります。

 

相続時精算課税制度

 

年間110万円の基礎控除と、累計2,500万円の特別控除を踏まえて贈与税を計算し、相続時に精算する仕組みです。

 

・60歳以上の祖父母・父母 → 18歳以上の子または孫への贈与が対象
・累計2,500万円まで贈与税がかからない制度
 (2,500万円を超えた分は一律20%の税率を乗じて算出)
・2024年改正により、年間110万円の基礎控除も新設

 

将来の相続時にまとめて精算する仕組みですが、将来売却予定の不動産や、早めに名義整理をしておきたいケースでは有効な場合があります。

 

 

配偶者控除

 

2,000万円までは控除があります。

 

婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、「居住用不動産」または「居住用不動産を取得するための金銭」の贈与が行われた場合、基礎控除の110万円と合わせて最大2,110万円まで贈与がかかりません。

 

※条件があります

 

 

住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税

 

祖父母や両親から、子や孫が住宅購入資金の贈与を受ける場合、いくつかの控除があります。

 

省エネ住宅など:最大1,000万円
一般住宅:最大500万円
基礎控除110万円と併用可能

 

2026年12月31日まで期限延長されています。

 

ただし、住宅取得後の贈与や諸費用への充当は対象外など、細かな要件があります。

 

住宅取得等資金の贈与税非課税は、制度の適用期限や住宅性能要件など細かな条件がありますので、国税庁のHPで最新情報を確認しましょう。

 

 

 

||特例を最大限に活用するポイント||

 

一番重要なことは、「特例制度を使えば必ず特になるわけではない」というところです。

 

特例を使ったために下記のようなケースも実際にあります。

 

・売却しにくい権利関係になった

 

・税金は抑えられたが、家族トラブルに発展した

 

・不動産の価値や流動性を考えずに進めてしまった

 

だからこそ、不動産の生前対策は、税務・法務・不動産実務をワンセットで検討することが大切です。

 

 

 

対策としては、この家を将来どうしたいか、誰が住むか、売却の可能性はあるか、子供はどう考えているか。

 

これを事前に話しておくことで、不動産をどう活かしていくかの選択肢が決まってきます。

 

 

いかがでしたか。

 

親の不動産対策としては、相続や税務の専門的な視点、不動産実務の視点が欠かせません。

 

・今いくらで売れるのか
・そもそも活用できる不動産かどうか
・贈与後も売却しやすい名義になるか
・権利関係に問題はないか

 

こうした点を整理することで、「漠然とした不安」から「具体的な方針が見える状態」へと変わります。

 

将来のトラブルを防ぐためにもまずは現状をしっかり把握することから始めてみましょう。