リースバックとリバースモーゲージを比較

2024年02月16日

「リースバック」「リバースモーゲージ」という言葉を聞いたことがありますか。

ご自宅などの不動産を活用して生活資金を確保する方法です。この2つ違いを解説します。

 

 

コロナ禍や物価高などで、今後、自助的な生活資金の確保は益々重要性を増してくることは間違いなさそうです。

 

そのような社会背景の中、「リースバック」と「リバースモーゲージ」は、共に自宅等の不動産を活用した資金調達の手段として活用されています。両者の特徴やメリット・デメリットをご参照いただき、将来の必要資金確保のために役立てれば幸いです。

 

 

 

||リースバックとは?||

 

リースバックは、自宅を売却してもそのまま住み続けられるサービスです。

ご自宅等を売却することにより資金を得るとともに、その後は賃貸借の形でお家賃を支払うことで、そのまま住み続けられるサービスです。 

 

従来は法人向けのサービスとして一部活用される場面もありましたが、一般個人のお客様を対象にサービスを提供する企業が出てきたため、ここ数年で知名度が上がりつつある注目されるサービスの一つです。

 

不動産の「売却」と「賃貸」を組み合わせた一般的な不動産のお取引が基本となりますのでシンプルな仕組みですが、売却先=その後の大家さん となる点がある意味で画期的と言えるのではないでしょうか。

 

 

 

||リバースモーゲージとは?||

 

一方、リバースモーゲージは、ご自宅を担保として金融機関等に提供し、担保の資産価値に応じて設定される「融資上限額」まで定期的にもしくは随時に金融機関等から融資を受けることができるサービスです。

 

一般的には、ご所有者様が亡くなられた後、土地建物を売却して一括返済に充てる形です。

 

実は、仕組み自体は1980年台から存在しています。

少子高齢化・財政赤字・年金制度の見直しなどから、シニア層の生活資金の確保の方法として期待されて登場しました。

 

自治体もしくは金融機関がシニア向けに提供しているサービスですが比較的制約が多いという側面もあるため、期待だけに終わらぬようにご自身に適用できるかを前もって調べておく必要があります。

 

 

 

||「リースバック」と「リバースモーゲージ」の比較||

 

リースバックは自宅を売却後そのまま賃貸借する不動産のお取引です。

 

担保の設定や借入は無く、所有権は移転します。資金の使途に制約がなく活用しやすいという特徴があります。

 

リバースモーゲージは自宅を担保として提供し融資を受ける金融サービスです。所有権は移転しませんが、自宅の担保としての提供し借入する仕組みです。資金の使途に制約があり、生活費等としての利用に限定されます。

 

 

 

 

||大きな違い、「不動産の取引」と「融資」||

 

リースバックは「売却」と「賃貸」を組合せた不動産取引です。

リースバックはご自宅等を売却し、所有権が買受けたサービス提供会社に移転します。所有権が移ることで、売却より資金を一括で受け取ることができます。その後は「定期建物賃貸借契約」という賃貸契約を結ぶことで賃貸として住み続ける事が可能なしくみです。

 

リバースモーゲージは自宅を担保とした「融資」をベースとした金融商品です。

リバースモーゲージは所有権が移転しない代わりにご自宅を担保として提供し、融資を受ける形になります。融資である以上いずれ返済することになりますが、基本としては所有者が亡くなられた後、担保を売却した資金が返済に充てられます。

 

賃貸の期間は金利分の支払のみなので、支払うキャッシュは少なくなりますが、当然ながら借入枠の大小との兼ね合いで判断することになります。

 

 

簡単にまとめると

リースバック →売却と賃貸の組合せた不動産のお取引
リバースモーゲージ →自宅を担保に融資を受ける金融商品

ここが最も大きな違いとなるでしょう。

 

 

 

||所有権移転のタイミングが異なる||

 

リースバックは自宅等を売却しますので、所有権が移転するタイミングは取引時点という事になります。自宅等の所有権が買い受けるサービス提供会社に移転し、所有権の移転により売却代金を一括で受け取る事が可能です。 

 

リバースモーゲージは自宅を担保として融資を受けるサービスです。ご契約時点では所有権は移転しませんが、所有者様がお亡くなりになった後に最終的には売却する形となりますので、所有権が移転するタイミングは所有者様がお亡くなりになるときという事になります。

 

ですので、リースバックもリバースモーゲージも、基本的には最終的に所有権が移転する事という点では同じです。違いは、リースバックは所有権が移転するのは「取引時」であり、リバースモーゲージは「将来」であるという違いです。

 

 

 

||資金の受け取り方に違いがある||

 

リースバックは、ご契約時点でサービス提供会社がお客様のご資産を買い受けますので、売却代金が一括でお客様に支払われることがメリットの一つです。

そのような特徴から、一定期間お住まいの後、将来に転居・ケアハウスへのご入居を検討されている方にとっては使い勝手の良いサービスとなっています。

ご自宅の売却が既に済んでいるので、転居のタイミングで慌てて売り急ぐといったことがない点で安心です。

 

一方でリバースモーゲージは、ご自宅を担保として借入枠を上限として、年金の形で除々に融資を受ける仕組みです。オーナー様がお亡くなりになった後、担保設定しているご自宅を売却し、その売却代金からローン返済に充てる形です。

金融機関側の貸し手側からの見方としては、将来に不動産を売却する形になりますので、不動産担保価値の変動を織り込んだ金額で「借入枠」を設定します。

 

 

 

||それぞれのメリット||

 

リースバックのメリットはサービスを利用できる不動産の幅が広いことです。

個人が所有している戸建やマンションのお部屋(区分)でご活用いただけるだけではなく、法人様が所有している工場や事務所、駐車場など、幅広い不動産でサービスを活用できます。また売却で得た資金の用途に制約がないため、住宅ローンの残債を返済、ご家族の学費、相続税の納税資金、リフォームの資金、事業の運転資金等、ご希望の用途に活用できることも大きなメリットです。

 

リバースモーゲージのメリットは、サービスの利用している期間は借入れの元本の返済は必要なく、利息の支払いのみを行えば良いため、心理的な面やキャッシュフローとしては比較的負担が軽いという点が挙げられます。また、サービスを提供している主体が銀行等の金融機関が多く、信頼感があることもメリットの一つです。

 

 

 

 

||それぞれのデメリット||

 

リースバックのデメリットの一つに、自宅を売却することにより自宅の所有権がリースバック事業者に取引時点で移転することです。ですので、所有権を今時点で手放したくない方は選択しにくい可能性があります。

注:リバースモーゲージも、借入を返済しなければ、将来的には所有権は移転する形になります。

 

一方で、売却により所有権が移転すると同時に、資金を一括で受け取ることが出来るというメリットもありますので、天秤にかけて検討する形になります。また対象と出来る不動産の幅はリースバックの方が広いとはいえ、建物の管理上の観点等からすべてのご自宅をリースバックできるわけではありませんので、サービス提供会社に自宅をリースバックできるかを事前に確認しておくことが必要です。

 

リバースモーゲージのデメリットとして、資金の使途が生活費やリフォーム等に限られること、物件の制約が比較的多いこと、同居人・相続人の状況によって適用できないケースがあることが挙げられます。

 

具体的には、「年齢が55才前後以上であること」や「お子様と同居されている場合には利用不可」となるケースや、「ご自宅所有者の推定相続人の全員の同意が必要」などです。

その他、対象とできる不動産は基本としてはお住まいになっているご自宅が対象となります。また評価額の最低金額が定められている場合も多いのが一般的です。従来ではマンションの一室(区分)を対象とできない傾向がありましたが、最近は対象とできる商品が増えつつあります。リバースモーゲージの場合、「適用できる地域」が都市圏に限定されるなど、地域による制約が厳しい場合が多い傾向にあります。

 

いずれにしても、いざサービスを利用したい場面が訪れた際に、検討を進めてみたら実際には使えなかった。ということがないように、活用できる可能性があるか否かを事前に確認しておくことは重要なポイントです。

 

 

 

||ポイント||

 

リースバックとリバースモーゲージのどちらの場合でも、活用できる資金には限度があります。

リースバックの場合には売却金額と家賃の額を、リバースモーゲージの場合には各種制約、借入枠と金利をあらかじめ見積り、将来の収支計画を見通しておくことが重要になります。

 

注意事項としては、「リースバック」や「リバースモーゲージ」の特徴は、一般的なものですので、提供される各社によって条件が異なりますので、詳細はサービス提供会社にご確認ください。