離婚を理由に自宅売却する場合のポイント2
2023年07月01日
前回の記事では、離婚で揉めることが多い財産分与の詳しい内容について、解説しました。
今回の記事では、離婚を理由に不動産を売却するときの手順や注意点についてお話ししていきます。
不動産を売却して得た手持ち資金を合わせて、住宅ローンの残債を完済できるケースです。
||自宅の売却相談・価格の査定をする||
まずはじめに、不動産会社に自宅の売却相談と価格の査定を依頼します。売却の相談をする際は、不動産会社に下記のことを伝えておきましょう。
・離婚を理由に自宅を売却すること
・住宅ローンの返済状況及び残債
・希望の売却価格や時期
・名義が共有か単独か など
手続きでどのような必要項目があるかなどを伝えてくれやすくなります。
不動産会社からの査定結果を見て、自宅の想定の売却価格と手持ち資金を合わせて住宅ローンの残りを返済できると判断できたら、次は媒介契約に進みます。
一方、想定よりも自宅の売却価格が低く、さらに自宅を売却しても住宅ローンの返済ができない場合は、任意売却で自宅を売却します。
任意売却についてはこちらを参考にしてください。
||不動産会社と媒介契約を結ぶ||
自宅の売却活動を依頼する不動産会社が決まったら、次はその不動産会社と媒介契約を締結します。
媒介契約とは、売主が不動産会社に不動産の売却活動の依頼をしたことの契約のことで、媒介契約書には不動産の売り出し価格や売却活動の方法、不動産会社に支払う仲介手数料などの条件などが記載されます。
媒介契約に関しての詳細はこちらをご覧ください。
どの種類の媒介契約が良いということはなく、それぞれの特徴を見て、どれが一番適しているかを夫婦間でよく話し合い検討しましょう。
また、早急に売却をしたい場合は媒介契約ではなく、不動産会社が直接の買主となる買取を検討すると良いでしょう。
||買主と売買契約を結ぶ||
売却活動の結果、購入希望者が現れたら次は売買契約の締結です。
自宅が夫婦の共有名義になっている場合、売買契約書に夫と妻の両方の署名と捺印が求められます。
注意するポイントは、売却価格だけでなく、自宅の引き渡し時期や手付金の金額など夫婦間で意思の食い違いがないように、しっかりと内容を確認しましょう。
||自宅の引き渡し||
自宅の売却活動で最後に行うのが物件の引き渡しです。
物件の引き渡し当日は、はじめに買主から売買代金の支払いがあります。売主は自宅の登記上の所有権を買主に移転させる手続きと自宅の鍵を買主へ引き渡します。
タイミングなどは不動産会社から案内があることがほとんどです。
自宅の引き渡しが無事に終了したら、自宅の売却活動が完了します。
自宅の売却価格から、売却活動にかかった諸費用と住宅ローンの残債を差し引き、余った分を夫婦で分配します。
||売却に必要な諸経費||
自宅の売却活動をするにあたり、次の諸費用が発生します。
・仲介手数料
→売買契約が成立した時に不動産の仲介会社に支払う成果報酬です。
上限額は「取引物件価格(税抜)×3%+6万円+消費税」です。
基本的に仲介手数料は法律で決められている上限額を支払うものと想定しておきましょう。
・印紙代
→売買契約書に貼る収入印紙の代金です。貼ることで印紙税を納税したことになります。
・登記費用
→住宅ローンの残債がある場合、抵当権抹消の登記を司法書士に依頼します。
金額はおよそ1万円~2万円程度です。
離婚を理由に不動産を任意売却する時の手続き(住宅ローンを完済できない場合)についてはこちらの記事を参考にしてください。
今回は、「離婚をきっかけに不動産を売却する場合」をテーマに不動産売却の手続きや住宅ローンが残っている場合の対処法、財産分与の方法、不動産の名義が共有の場合の注意点をご紹介しました。
ここで紹介した内容が、不動産売却の助けになればと思うと同時に、新たな人生のスタートの良い機会になればと思います。